現場で役立つスキルを身につけるためには〈後編〉

電子カルテ+クラーク養成講座の現場から(8)

前編では「電子カルテ+クラーク養成講座」の受講者の方に、即戦力として活躍していただくためにこだわっている、「現場に沿った演習形式」についてご紹介しました。
(前編はこちら)

引き続き、さらに2つのこだわりをご紹介します。

(2)本物のカルテ

講座を受けていただく中で、現場に沿った形でクラークの勉強をするために、受講者さんの勤務先等の診療所で医師が普段作成しているカルテをあらかじめお借りしてもらい、そのカルテを教材にして実習を行っています。

カルテは診療科の特徴、医師の特徴が色濃く出るもので、二つとして同じカルテはありません。

クリニックごとにそれぞれが利用しているカルテを使うことで、実際に診察をしながら電子カルテ入力をする状況に近づけることができ、即戦力としての経験を積む第一歩としての研修ができるのだと考えています。

(3)本物の電子カルテ

診療所向け電子カルテメーカーは世の中に30社~40社あるといわれています。

「電子カルテはどれも同じ」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、機能面ではそれほど差はなくても、操作となると電子カルテごとに異なってきます。

そこで、できるだけ現場と同じ環境で実習をしたいと考え、診療所が実際に使用しているメーカーの電子カルテを研修に使用するようにしています。

メーカーに事前に連絡して協力を仰ぎ、診療科ごとのカスタマイズもお願いして、できるだけ忠実に環境を再現することを心がけています。

これら3つの条件が揃って初めて、現場に即した研修になるのだと思います。

このように、我々が行っている「電子カルテ+クラーク養成講座」は、机上でクラークの理論を学ぶ堅苦しいものではありませんし、パソコンを早く入力できる能力を身に付けるだけの研修でもないのです。

執筆:大西

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