これからのクリニックはどのような人材を採用すれば良いのか

医療事務が集まらない時代

クリニックはどのような人材を採用すれば良いのでしょうか。クリニックにとって大変重要なテーマです。近年、特に「医療事務」の採用が難しくなっているという声をよく聞くようになりました。これは都内・地方といったエリアに関係なく起きている現象のようです。 

これまでは求人媒体に掲載していれば、多数の応募があり、開業時などは100人の中から選べるというケースもありました。いまでは、募集をかけても応募が減り、時には応募自体がほとんど来ないといった事態が起きているのです。

 

採用が難しくなった理由

医療事務の採用が難しくなった原因はいくつか考えられます。

  • 少子高齢化によって働き手の若い人材の総数が減少していること
  • 医療界は他業界に比べて賃金が安いこと
  • 医療を志す人材が減少していること(医療事務専門学校の募集も減少)
  • 転職のしやすい社会になり他業界へ人材が流出していること
  • 働き方改革の推進により医療業界の労働環境(忙しい、残業が多い、土日休みでない)が敬遠されていること

などが考えられます。

 

採用条件の変更が必要

政府の医療DXや働き方改革の影響もあり、クリニックのデジタル化が進んだことで、採用条件自体にも変化が起きていると感じます。

かつての紙カルテとレセコンの時代は、医療事務の能力に大きく依存していたため、採用条件は「診療報酬算定」や「レセプト請求」スキルが第一に挙げられていました。その名残が続いており、いまでも医療事務経験優遇、レセプト請求スキルを求むというタイトルをよく見かけます。一方で、IT(パソコン)スキルや医療知識は、それほど重要視されていなかったように感じます。

しかしながら、電子カルテが当たり前に導入され、Web予約やWeb問診、自動精算機など、クリニックに様々なシステムがあたりまでのように導入されるようになった現在では、診療報酬算定・レセプト請求スキルよりも、「IT(パソコン)スキル」が重要になってきています。募集に際して、「ITスキル必須」と書くべきなのです。

つまり、レセコンから電子カルテ、そしてクラークと時代の変化に伴い必要なスキルは変わってきているのです。

 

採用の際にどのような名称が良いのか

病院の1/3に医師事務作業補助者(医療クラーク)が導入されるようになり、医療クラークの経験を持つ人材がしっかりと育ちつつあります。当然、クリニックにもそのような人材が流れてくる可能性があるのです。また、医療事務の専門学校においても、医療IT学科、医療クラーク学科という名称が使われるようになっています。明らかに人材の供給側は、学生のニーズと医療機関のニーズから考えて名称変更を余儀なくされているのです。

そこで、採用に際して人材のミスマッチを防ぐために、これまでの医療事務という名称に加え、医療クラークや医療コンシェルジュといった名称で募集されるクリニックも見られてきています。

mailmaga

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