【診療所経営】
オープニング研修について
クリニックの開業の際に、「新規スタッフに対して、どんな研修をすれば良いか」というご相談をよく頂戴します。これは承継開業、分院展開など、クリニックを新たにスタートする際には必要な研修となります。
研修と聞くと真っ先に思い浮かぶのが、電子カルテなどシステムの操作研修や医療機器などの操作研修ではないでしょうか。これらは、システムや医療機器を安全に動かすための研修となります。最低限の研修となります。
また、ビジネスマナーや接遇、コミュニケーションなどの研修を、外部講師(CAのOBさんなど)を招いて実施しているケースもあるでしょう。
開業時に必要な研修とは?
わたしは開業時(1カ月前)に以下のような研修が必要ではないかと提案しています。研修内容、スケジュールを考える際の参考になさってください。
オープニング研修の例
- 院長・スタッフ紹介(スタッフ同士の理解を深める)
- 理念・クレド(医院の考え方、大切にしていることをスタッフに知ってもらう)
- 診療報酬(当院の主な診療報酬点数、レセプト点検の方法など)
- カルテ記載ルール(問診、SOAPの理解、個別指導に向けての基本ルール)
- 疾患別の診療の流れ(主要疾患を例に診療の流れを整理する)
- 院内・院外コミュニケーション(スタッフ間、薬局、紹介医療機関とのコミュニケーション)
- 書類作成(診断書、紹介状、主治医意見書、訪問看護指示書、療養計画書などの生類作成の基本とルールの策定)
- シミュレーション(クリニック全体の流れを模擬診療などを通して確認する)
- 役割分担(業務分担、委員会の設置などを行う)
- 5S研修(整理、整頓、清掃、清潔、しつけなどクリニックの維持運営)
先に述べたシステム・機器の研修のほかにこんなにも多くの研修があるのかと驚かれることでしょう。実際に実施しているのは、意外にも模擬診療、接遇研修くらいというのが大半です。これから始まる長きに渡る開業生活を意義あるものとするためには、スタッフと共通の価値観、考え方を植え付けるためにも、ぜひ取り組んでほしいと考えます
このような研修はオープニング時にも当然必要ですが、クリニックの定期的な勉強会でも行うべき内容だと考えます。日々の勉強会のテーマとして既存クリニックでも取り組まれてはどうでしょうか。