アフターコロナの新三種の神器、新しい働き方

ウィズコロナからアフターコロナへ

2023年1月、政府は新型コロナウイルス感染症を「二類相当」から、2023年春をめどにインフルエンザと同等の「五類相当」に引き下げる検討を始めました。2020年から約3年間の長きにわたり苦しめられた「ウィズコロナ」から、いよいよ「アフターコロナ」に時代が変わろうとしています。

 

コロナで変わったこと

新型コロナは我々の生活にどのような変化をもたらしたのでしょうか。一つは「感染対策の意識変化」であり、もう一つは「デジタル化の進展」にあると考えます。特にデジタル化については、インターネットが当り前の時代となり、なんでもネットにつなぐIoTが巷に溢れ、それを便利と感じる時代がやってきていると感じます。政府もオンライン資格確認や電子処方箋など、医療DX政策を矢継ぎ早に進めようとしています。

 

少子高齢社会がもたらす「生産性向上」

わが国は、世界でも類を見ない急速な少子高齢化を迎えており、生産人口の減少の影響が出始めています。その対策として、少ない「投入量(インプット)」で大きな「成果(アウトプット)」を出す必要が出てきており、「生産性向上」がしきりに叫ばれるようになりました。その流れをコロナがさらに加速させているように感じます。

 

生産性を上げるために、デジタル化を進める

また、昨今の輸入品の価格交渉を受けた物価上昇により、生活も苦しくなってきており、なんとか賃金を上げて欲しいという機運が高まっています。当然、わが国が生産性向上を実現できれば、賃金はおのずと上がっていくわけで、これは医療界でも同様となっており、売上は診療報酬で決まっており、なかなか上がらない状況下では、コストを下げることが重要になってきています。その一つの処方箋として、デジタル化を進めることで、ヒトを減らすことが考えられるようになっているのです。

 

新三種の神器

かつて、クリニックのデジタル化における3種の神器と言えば、「電子カルテ」「レセコン」「PACS(画像ファイリング)」でした。これらはすべてクリニックの基幹システムであり、いわゆるIT(Information Technology)機器と分類されるものでした。

いまはDX(Digital Transformation)の時代に入り、新三種の神器として、Web予約、Web問診、そして自動精算機(キャッシュレス)の導入が進んでいます。これらのシステムは、業務改革システムとしての役割を担っています。

具体的には、Web予約は、患者の来院行動を変化させる効果をもたらし、待合室で待たずに診察が受けられる環境を作り出しました。Web問診によって、事前に患者のニーズを把握することができるようになり、スタッフの対応スピードが向上し、対応の見極め(トリアージ)が可能になりました。自動精算機は、精算業務を自動化することを実現し、スタッフ削減と(締め作業など)残業削減の効果をもたらしました。この流れはいずれ、無人受付・無人会計、待合室がなくなる、といった新たなクリニックの受付像をもたらすように感じます。(飲食店や小売店、ホテルなどではすでに実現されています。)

 

まとめ

アフターコロナに向けて、クリニックを取り巻く環境は確実に変わろうとしています。このような時代は、その流れに抗うのではなく、上手く順応することが得策であり、「時代は変わった」としっかり受け止めた方が生きやすい世の中なのです。

受付のデジタル化・自動化が進むいま、医療事務の役割が大きく変わろうとしています。一つは診療側スタッフの一員になること、いわゆる「クラーク」の役割。もう一つは、システムが苦手とする患者一人一人の特性に合った臨機応変な対応、いわゆる「コンシェルジュ」の役割です。時代の進化に合わせてスタッフ像も変わろうとしているのです。

mailmaga

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