クラークスキルの向上に向けて

電子カルテのクラーク業務において、もっとも重要なスキルは、「先読みスキル」です。先読みスキルとは、患者の問診票や訴えを聞いて、病気や処方、処置、検査などを類推するスキルとなります。これができるようになることで、次の1歩がスムーズに進むようになります。視野も広がり、チーム内の連携も良くなっていきます。

まずは「パソコンスキル」を高めよう

クラーク業務を始めたばかりのころは、患者と医師のやり取りを聞き漏らすまいと必死になっています。また、パソコン入力が苦手な場合は、入力に気がとられてしまい、視野が狭くなってしまいます。

「先読みスキル」は広い視野で、様々なケースを想定して、常に1手2手先を読んで行動する必要があります。まだ、入力が追い付かないという方は、まずはパソコンスキルの向上から始めると良いでしょう。目安としては1分間に100文字、ブラインドタッチで行えることを目標にしてください。

情報を整理してから入力する

 パソコンのスキルが身についたならば、医師と患者のやり取りをある程度聞いてから、「一旦整理して入力する」ということをしてみてください。カルテは診療の要点を簡潔明瞭に記載することが目的で、一字一句漏らさずに記載する必要はありません。(だらだらと長いカルテは読みにくくなりがちです。)そのためには、どんな内容が重要で、どの情報をカルテに記載した方が良いのかを知る必要があり、これは医師と相談しながら勉強していくと良いでしょう。

例えば、主訴の記載は、「いつ(発症時期)」「どこが(部位)」「どうした(症状)」という順番で記載するのが基本です。常にこの順番で記載を行うことで、あとでカルテを読み返した際に、分かりやすい記録となります。

「問診」から病気を類推する

 先読みのスキルを向上させるためには、問診内容から病気を類推し、検査、処方、処置などを整理して理解することが大切です。現在、問診内容から、病気を類推する仕組みは、「Web問診」などに搭載されているものもあり、この技術を利活用すれば、主訴から類推される病気が5つくらいは出てきます。実際の紙の問診票であっても、クラーク業務を進めていると徐々に経験が蓄積し、病気が類推できる下地ができるのではないかと思います。この問診から診療の流れを類推する練習は、実際の問診票があればすぐにできます。空き時間に、問診票とカルテを照らし合わせながら確認するという練習が効果的です。

経験をスキルに変えるには小さな目標を立てる

ここで重要なのは、クラーク業務をしながら、常に先を読もうと、先回りをしようと努力を続けることです。継続は力なりです。1日に50人のカルテを入力すれば、月に1000人のカルテに触れることが可能です。経験値を実際のスキルに落とすためには、何となくクラーク業務に取り組むのではなく、今日は5パターンの流れを覚えようなど、小さな目標設定をして、毎日少しづつクリアしていくことが大切です。

mailmaga

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