電子カルテの入力速度を上げるためには?
無闇に急がせず、ポイントをしぼって見直してみましょう。
クラーク運用のお悩み相談(6)
今回は、「電子カルテの入力速度を上げるために、何から取り組んだらよいか」についてのご相談です。
Qクラーク運用を行うことで診察に集中できるようになったのですが、しばらくして入力速度が上がらないクラークが出てきてしまいました。これ以上速く入力することはできないでしょうか。
Aクラーク運用において重要なのは速さだけではありませんが、医師の求めるスピードで入力できないと医師もクラークも、もどかしいものです。お互いのためにも無闇に急がせるのではなく、以下のポイントの見直しをしてみてはいかがでしょうか。
ポイント① 正確なタイピング
タイピングは基本通りできているでしょうか。
一本の指が操作するキーは人差し指を除いて3箇所までです(数字を除く。また人差し指は6箇所)。
人によっては一本の指の操作するキーが5箇所だったり6箇所だったりする方もいらっしゃいますが、キーの割当箇所が多いと指の移動距離が大きくなってしまうため、結果として速い入力ができなくなってしまいます。
キーポジションを改めて見直してみてください。
入力を速くするためには(1)練習中は常に画面を見て手元のキーボードは一切見ないようにする。(2)急がなくてもよいので、とにかくミスタイプしないように努める。(3)割り当てられた指以外でキーは一切入力しない。最初は時間がかかりますが、上記を徹底して守るようにすればタイピングは上達します。
ポイント② IMEやATOKの辞書機能を活用
パソコンに搭載されている日本語入力システムにユーザー辞書があります。
よく使う単語をユーザー辞書に登録しておけば、最後まで入力せずに省略した文字で入力することができます。長い文章も登録できるため、これで格段にスピードが上がります。
ポイント③ 用語選択
どの電子カルテにも用語選択と呼ばれる機能を搭載しています。
たとえば「発赤」「関節痛」などのよく使う用語を電子カルテに登録すると、用語を選択するだけで素早く入力できるようになります。
また、電子カルテによっては、学習機能をもっており、一度入力した用語を自動的に登録することもできます。
ポイント④ 医療用語の知識の習得
医療用語の習得はハードルが高いように感じるかと思います。
できれば医師や看護師、製薬メーカーや医薬品卸などから勉強会を開催してもらうのが理想ですが、自習する場合は、電子カルテに搭載されているDI(薬剤情報)あるいは実際のお薬の中に入っている添付文書を見れば医薬品を学ぶことができます。
医薬品を学ぶと、医療用語がわかってきます。最近ではネットでも薬剤の検索はできるようになっています。適応症、禁忌、副作用などさまざまな情報が記載されています。
最初は意味がわからなくてもよいので、目に触れる機会を多くすれば、医師からの指示が添付文書からの内容と重複していることに気づくと思います。
執筆:石原