運用に合わせた電子カルテ構成を考える
クラーク運用のススメ(2)
クラーク運用を始めようと考えた時、電子カルテの構成に悩まれる先生も多いことでしょう。
一口に「クラーク運用」と言っても、診療科や医師の診察スタイルによって、その内容は大きく変わってくるため、それぞれの運用に合わせて電子カルテの構成を考える必要があります。
そこで今回は、診療所で一般的に取り入れられている、デュアルモニタ(デュアルディスプレイ)と呼ばれる構成をご紹介したいと思います。
電子カルテのデュアルモニタ構成とは
デュアルモニタの構成では、下図のように1台の電子カルテ(パソコン本体)に対して、モニタとマウス・キーボードを2組接続し、医師とクラークが同じ患者さんのカルテ画面を見ながら一緒に電子カルテを操作します。
デュアルモニタ構成のメリット
この構成のメリットは、クラークが入力している内容を、医師がリアルタイムで確認できる点にあります。
医師もクラークも、お互いに自分の目の前にあるモニタを見ながら電子カルテを操作していますが、実際に接続されている電子カルテ端末(パソコン本体)は1台ですから、それぞれのモニタには同じ内容が表示されています。
医師は診察をしながらクラークが入力している内容を見ることができるので、診察中にカルテの記載状況がわかりますし、入力ミスや追記が必要な内容があった場合にも、即座に修正の指示を出すことができるのです。
また、1台のモニタを2人で見る構成に比べて、クラークの作業する場所が医師の隣に固定されません。
診察室のスペースに応じて、診察机の横にカートを設置して、クラークは立ったまま電子カルテ入力をおこなうなどの工夫ができることも、この構成の特徴といえるでしょう。
デュアルモニタ構成の注意点
このように、クラーク運用においてメリットの多い構成ですが、注意が必要な点もあります。
1台の電子カルテ端末(パソコン)を2人で使用するため、医師とクラークのどちらか一方が操作をしている時、同時にもう一方で別の操作をすることはできません。
医師が電子カルテの操作をしている間、クラークは手を止めて待つ、といったように「あ・うん」の呼吸でカルテ入力をおこなうことが、この運用の最大のポイントです。
執筆:松井