医療DX

自動精算機・キャッシュレスで「残業時間」を短縮しよう

あるクリニックより「残業時間」の相談をいただきました。そのクリニックは、毎日平均して診療終了後に1時間~1時間30分程度の残業が発生しているとのことでした。この残業時間を何とか半分くらいに減らせないかとの相談でした。

診察終了間際に来院する患者をどう減らすか。

 残業の原因は、「診察終了間際に来院する患者がいる」「診察終了後に行う作業が多い」ことなどが挙げられます。前者の診察終了間際に来院する患者については、学校や仕事の関係でやむを得ないと考えがちですが、すべての患者がそれに当てはまるわけではありません。中には、何となくぎりぎりになっている患者も存在するのです。

そこで、受付終了時間を30分前倒しすることを決め、患者へアナウンスしてはいかがでしょうか。18:30分が診察終了時間であれば、18:00を受付終了時間とするのです。その結果、徐々に終了間際に来院する患者が少なくなっていくのです。ただし、やむを得ず診察終了間際になってしまったり、時間外に来院したりする患者がいてもこれは対応しても構わないと思われます。このようなイレギュラーな患者に対応するために、受付時間を前倒ししていると考えれば良いのです。終了間際に患者が集中することを緩和できれば、残業時間は減っていくのです。すべての患者がルールに従うと考えるのは少し厳しすぎるのです。

診察終了後に行う作業をどう減らすか。

一方、診察終了後に行う作業については、業務の棚卸が必要です。クリニックによって違いはあると思いますが、一般的に診察終了間際に行う作業としては、「機器等の片付け」「レジを締め」「日報の作成」「掃除」「翌日の準備」などが挙げられます。

特に「レジ締め」に時間がかかっている傾向が見受けられます。日によってはレジの金額と日報が合わない日が出てきます。そのときはスタッフ総動員で、何度も再計算をし、原因を突き止める作業を行っています。原因が判明するまでみんながドキドキしながら見守っているのです。これこそが残業時間の原因なのです。また、レジが合わなければ、そのことについて院長に報告しなくてはならず、受付スタッフにとっても、院長にとってもストレスを感じることでしょう。

自動精算機・キャッシュレスを導入して「レジ締め」を効率化

そこで、レジ締めを効率化するために、「自動精算機」を導入してはいかがでしょうか。自動精算機を導入し、電子カルテと連動させることで、レジ締めの作業は大幅に減少することが予想されます。具体的には、自動精算機を導入すると、受付スタッフは現金をほとんど触らなくなり、レジ入力がほとんどなくなります。結果、レジのうち間違えがなくなります。また、レジ内のお金を数える作業も、自動精算機に備わっている自動集計機能を利用すれば、簡単な操作で集計が可能となります(中には自動集計機能がないものもあるので注意が必要です)。その結果、レジが合わないことはめったに起きなくなります。

ただし、返金や未収金の際は自動精算機が使えないケースもあるため、レジ入力は一部残り、完全に自動化されたわけではありません。また、自動精算機を導入する際の注意点ですが、キャッシュレス(クレジットカード、交通カード、QR決済など)を導入しているクリニックは、自動精算機と連動させることをお勧めしています。自動精算機とキャッシュレスを別々に締めなくて済むようにするためです。

「清掃・ゴミ出し」は夜から朝に変更してはどうでしょうか

さらに、残業時間の短縮に取り組むためには「掃除」についても検討してはいかがでしょうか。診察終了後に行っている「清掃、ゴミ出し」という作業は、本当に夜行わなければならないのでしょうか。早朝業務に変更したても問題なければ、思い切って朝に行うようにしてはいかがでしょうか。残業時間はさらに短縮することでしょう。

自動精算機の選定のポイント

 最後に自動精算機を選ぶ際のポイントをまとめておきますので参考になさってください。

  • 自動精算機とセミセルレジのどちらが向くか確認する。

返金や未収金などイレギュラーが多く、患者の操作だけで完結しない場合は、セミセルフレジが向いています。ただし、その場合、スタッフの削減効果は半減します。

  • 自動精算機とキャッシュレスの両方を検討する。

キャッシュレスを導入する場合は、初期導入コストと手数料をしっかり確認してください。手数料は1%台~3%台とかなりばらつきがあります。

  • 自動精算機はパソコンですから、故障時の対応を確認する。

自動精算機は時には壊れることもあります。その際の対応についてもしっかり確認してください。もちろん、保守料も確認を忘れずに。

  • 設置スペースを確認する。

自動精算機は案外大きいため、受付の周りのどこに置くか、サイズも含めて事前に確認しておくと良いでしょう。

  • 付随工事の有無を確認する。

自動精算機の設置には、コンセントとLANポートが必要となります。また、転倒防止のために、床や壁に固定する工事も必要なケースもあります。

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