気をつけたい算定漏れ~初・再診料編~
医療クラークにとって大変重要な医療事務の知識をつけていただくため、パートナー企業の専門家による「医療事務の基礎知識」の連載を開始いたします。
医療事務の基礎知識(1)
皆さんこんにちは。今回は、診療報酬のよくある「算定漏れ」のお話です。初回ですから「初・再診料」の部分をピックアップしてお伝えします。
初診料や再診料は医師の見立て料ですから、患者様を診察した際にはこのどちらかを必ず算定します。
ご存知の通り、患者様が初めて受診された場合には初診料で、2回目からの診察時には再診料の算定ですね。
ここに注意!
点数表の「第1章 基本診療料 第1部 初・再診料」の通知部分「→初・再診料に関する通則」(2)のアを見ると「初診時又は再診時に行った検査,画像診断の結果のみを聞きに来た場合」には、診察料(初診料・再診料)が算定できないと解釈してしまうことがあります。
この文章だけを読むと、前回検査を行なって、次の診察時にはその結果を聞いただけであり、その他に医療行為(注射や処置など)を行わず、お薬の処方もなかった時には、窓口負担なしでお帰りいただく、という解釈かと思うかもしれません。
しかし、この時にはきちんと再診料の算定ができるのです!
診察とは、医師が患者様の訴えに対して医学的に判断(診断)することでもありますので、検査結果を基に医師が医学的に判断をして「大丈夫ですよ」と説明をされた場合には、立派な診察に値します。また、この結果から今後の治療方針を考えることもありますので、どちらにしてもこの時には再診料の算定ができるのです。
※患者ご本人様への説明(診察)は外来管理加算の算定も忘れずに!
再診料が算定できない場合
対して、再診料が算定できない場合というのは、診察室に入ることもなく、検査結果の数値のみを聞いたり教えたりしてもらった場合や、検査結果のデータ表を渡されるだけの場合を指します。これでは、医師からの説明を受けていないことになりますので、診察は行われていませんから再診料の算定はできません。
ここでのポイントは、『医師から説明を受けたかどうか』ということです。
診察室に入ったから、検査結果の表をもらったからということではありませんので気をつけてくださいね。
カルテへの記載も忘れずに!
「診察をした」ということは、カルテにも記録しておくようにしましょう。
バイタルサインの記載や、患者さんの主訴、医師の指導内容がしっかりと書かれていると、診察を行ったという客観的な証拠にもなります。
執筆:日本医業総研