新人クラーク育成のポイントとは?

クラーク運用のススメ(6)

クラーク業務への戸惑い

メディプラザでクラーク研修を開始してから、早いもので2年が経ちました。
たくさんの医療機関様に受講いただき、最近では、新しく入職された新人スタッフさん向けに追加受講のご相談を受ける機会も増えています。

新人スタッフを育成する際、一般的には、受付業務を経験してから徐々にクラーク業務を担当させていきます。
しかし、いざクラーク業務を始めてみると「カルテに何を記載すればよいかわからない」という戸惑いがあり、なかなか上達しないスタッフもいることでしょう。

これにはいくつか原因が考えられますが、一番のポイントは、医師と患者さんがどんな話をしているか知らないことにあります。

診療内容の予測が上達の秘訣

メディプラザの研修では、クリニックごとに医師役・患者役・クラーク役に分かれたロールプレイングを実施します。この時に私たち講師は、クラーク役の入力スキルだけではなく、医師役を上手に演じられるかどうかも気にかけています。

「こんな患者さん、いるよねー!」
「いつも先生、そういう風に言うよねー!」

ロールプレイングでこんな会話が出るクリニックの受講者さんは、カルテの代行入力もスムーズで上達が早いように感じます。
自院の診療内容を理解できているため、医師が次に何を話すか予測して「医師の先回り」ができるのです。

受付業務といっても、その内容は医療機関によって様々です。

診療補助や看護助手の業務も担っているスタッフは、医師と患者さんの会話を日頃から耳にしています。
しかし、受付のカウンター業務を専門に行なっている場合、診療の現場に居合わせる機会がほとんどないため、診療場面をイメージして「医師が次に何を話すか」を予測することは難しいといえるでしょう。

まずは診察を見ること

医師の診療パターンを理解することが、クラーク業務の第一歩です。
新人クラークを育成する場合、診察室で実際の診療を見ることから始めてはいかがでしょうか。

この時に大切なのは、最初から電子カルテ入力をさせないこと。

いきなり代行入力を始めてしまうと、新人クラークの意識は「電子カルテの操作」にのみ注目してしまいます。
診療内容をしっかりと把握できるように、まずは医師と患者さんの会話を聞きながら紙にメモを取ることからスタートするとよいでしょう。

そうすることで、戸惑うことなく診療行為に注意を払うことができるようになるのです。

執筆:松井

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