医療事務の基礎知識~医科外来等感染症対策実施加算~

今回は、2021年4月診療分から9月診療分までの半年間に限定的に算定できる「医科外来等感染症対策実施加算」について解説します。

■ 新設の背景
長引く「新型コロナウイルス感染症」の感染拡大は医療機関経営に大きな影響をもたらしています。政府は、新型コロナのワクチン接種が始まったものの、全国民の接種が完了するまでは、新型コロナの収束は難しいと考えており、引き続き、感染症対策をしっかり行うことを条件に、「医科外来等感染症対策実施加算」(5点)が新設されたことになります。算定期間は、2021年4月診療分から9月診療分となります。

■ 外来診療等及び在宅医療における評価
特に必要な「感染予防策」を講じた上で診療を行った場合、時間外対応加算1に相当する点数(5点)をさらに算定できるようになりました。算定できる項目は以下の通りです。

<初・再診料>
ア 初診料
イ 再診料 ※注9に規定する電話等による再診を除く
ウ 外来診療料

<医学管理等>
エ 小児科外来診療料
オ 外来リハビリテーション診療料
カ 外来放射線照射診療料
キ 地域包括診療料
ク 認知症地域包括診療料
ケ 小児かかりつけ診療料
★コ 救急救命管理料
★サ 退院後訪問指導料

<在宅医療>
シ 在宅患者訪問診療料(Ⅰ)(Ⅱ)
★ス 在宅患者訪問看護・指導料、同一建物居住者訪問看護・指導料
★セ 在宅患者訪問点滴注射管理指導料
★ソ 在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料
★タ 在宅患者訪問薬剤管理指導料
★チ 在宅患者訪問栄養食事指導料
ツ 在宅患者緊急時等カンファレンス料
★テ 精神科訪問看護・指導料

ただし、★がついているものは、初・再診料と併算定しない場合に限るとされています。

■特に必要な感染予防策とは?
特に必要な感染予防策とは何を指すのでしょうか。資料によると、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き」等を参考に、感染防止等に留意した対応のこととしています。現在、多くの医療機関で取り組まれている密回避のためにパーテーションをつけたり、定期的に空気を入れ替えたり、待合室の席を離したり、手指消毒のための消毒液を置いたり、などといった対策を続けていけば問題ないと考えます。

■電話等再診は算定できない
2020年4月に時限的に設けられた「電話やオンラインでの診療」は、そもそも外来に受診せずにできる非接触の診療スタイルのため、同点数は算定できないとされています。

■電子カルテ・レセコンの対応
電子カルテ・レセコンメーカーは、今回の点数の新設を受けて、4月より更新ファイルによるバージョンアップを告知していると思われます。忘れずに更新すれば算定できるように対応するメーカーがほとんどです。詳しくは、現在お使いの電子カルテ・レセコンメーカーにお問い合わせください。

■患者への告知を忘れずに
今回の変更については、全患者にかかわる事項です。同点数を算定する際、患者及び利用者又はその家族等に対して、「院内感染防止等に留意した対応」を行っている旨を十分に説明することや、点数が改正されている旨をポスターなどで告知することも忘れずに行ってください。

関連通知:新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その35)

(執筆:MICTコンサルティング

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