クラークの業務範囲を広げよう!
クラークの業務
診療所におけるクラークの業務は、①カルテを書く②オーダーする③書類を代行する④予約を取る、など、クラークの仕事は多岐に渡ります。医師と患者のやりとりを書くだけでも、大変ですが、この行為は、次の展開を予測するためのヒントがたくさん含まれています。それをキャッチできるようになると業務範囲はどんどん広がっていきます。
先回りすることで業務範囲が広がる
例えば、慢性疾患の患者さんと、急性疾患の患者さんでは流れが大きく違いますね。前者は、定期的な受診を期待し、後者は数回で治癒を目指すか、手術や精密検査が必要であれば、病院に紹介となります。すると、次回の予約や、紹介状の有無など、発生しそうな業務がどんどん見えてきますね。
この見極めができるようになれば、クラークの初動が変わってきます。先回りができるようになるのです。この動きをできるようになるには、経験も大切ですが、疾患の勉強や薬の勉強も合わせてする必要があります。
レセプトを意識したプラスの点検
また、レセプト(診療報酬明細書)を意識したカルテを作るという考え方も、医師はクラークに期待するところです。月に1回のレセプト点検は間違っている部分を直すことがメインとなり、マイナスの点検しかできません。しかし、クラーク業務の中で点検ができると取り漏れの防止、すなわちプラスの点検に変わるのです。
(例)
・今日は初診料が算定できるか
・加算は算定できるか
・管理料は算定できるか
・算定の根拠となる記載ができているか
こういったプラスのレセプト点検をクラークができるようになるには、日々の診療報酬の勉強が大切です。なかなか時間がとれないかもしれませんが、2年に一回必ず改定によって変わりますので、改定は勉強するチャンスです。改定に合わせてしっかり勉強してください。
勉強する習慣をつけよう
自らの業務範囲を限定していては、成長はできません。クラークの業務範囲を広げるのは勉強あるのみです。疾患の勉強や薬の勉強、診療報酬の勉強を日々の業務の中で行うのは時間がないと、どうしても後回しにしがちです。「時間の時にやればいいや」では、おそらく一生やらないでしょう。日々の取り組みの中で、勉強を取り入れることが、継続して勉強することの秘訣です。例えば、院内の勉強会の講師をする、業務中に気付いたことはノートにまとめ、必ずその日のうちに調べる、といったようにです。勉強は習慣化が最も重要です。この習慣化ができれば、勉強はそれほど難しくはありません。勉強すればするほど、医師が任せてくれる範囲は広がっていきますから、当然やりがいも増えていきます。
(執筆:MICTコンサルティング)