オンライン資格確認の義務化に向けた評価の見直し

2022年8月10日の中医協総会で、今年10月の臨時改定について、諮問・答申が行われました。4月改定で新設された「電子的保健医療情報活用加算」が廃止され、新たに10月から「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」を新設することとなりました。

 

(旧)電子的保健医療情報活用加算

〇初診時にオンライン資格確認システムを通じて患者の薬剤情報又は特定健診情報等を取得した場合は7点を加算

〇再診時に患者の薬剤情報又は特定健診情報等を取得し、当該情報を活用して診療等を実施することで、月1回、再診料(外来診療料)に対して4点

〇オンライン資格確認を導入しているが情報を取得困難な場合等については、初診に限り初診料に対して3点を加算(令和6年3月 31 日まで)

 

<施設基準>

(1)オンライン請求

(2)オンライン資格確認

(3)電子資格確認に関する事項について、保険医療機関の見やすい場所に掲示

 

(新)医療情報・システム基盤整備体制充実加算

〇初診時に患者の薬剤情報や特定健診情報等の診療情報を活用して質の高い診療を実施する体制を評価するものであり、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関を受診した患者に対して初診を行った場合に、「医療情報・システム基盤整備体制充実加算1」として、月1回に限り4点を算定する

〇電子資格確認により当該患者に係る診療情報を取得等した場合又は他の保険医療機関から当該患者に係る診療情報の提供を受けた場合は、「医療情報・システム基盤整備体制充実加算2」として、月1回に限り2点を算定する

 

<施設基準>

(1)オンライン請求

(2)オンライン資格確認

(3)上記事項について、院内掲示およびホームページ掲載

 

上記をまとめると、「初診料」にかかる加算ついては、マイナ保険証を利用する場合は7点から2点に引き下げ、利用しない場合は3点から4点に引き上げられたことになります。つまり、マイナ保険証と従来の保険証の点数差が逆転しています。また再診料については、マイナ保険証を利用する場合の4点を廃止しています。

 また、新たに追加された項目としては、初診時の問診票について以下の例を参考に変更を求めています。

 

<初診時の標準的な問診票の項目等(別紙様式54)>

○ マイナ保険証による診療情報取得に同意したか

○ 他の医療機関からの紹介状を持っているか

○ 本日受診した症状について・・・症状の内容、発症時期、経過 等

○ 現在、他の医療機関に通院しているか・・・医療機関名、受診日、治療内容 等

○ 現在、処方されている薬があるか(マイナ保険証による情報取得に同意した患者については、直近1ヶ月以内の処方薬を除き、記載を省略可能)

・・・薬剤名、用量、投薬期間 等

○ これまでに大きな病気にかかったことがあるか(入院や手術を要する病気等)

・・・病名、時期、医療機関名、治療内容 等

○ この1年間で健診(特定健診及び高齢者健診に限る)を受診したか(マイナ保険証による情報取得に同意した患者については、記載を省略可能)

・・・受診時期、指摘事項 等

○ これまでに薬や食品などでアレルギーを起こしたことがあるか

・・・原因となったもの、症状 等

○ 現在、妊娠中又は授乳中であるか(女性のみ)・・・妊娠週数 等

 

問診票の項目とは別に、以下の内容についても問診票等に記載することを求めています。

○ 当該医療機関は、マイナ保険証の利用や問診票等を通じて患者の診療情報を取得・活用することにより、質の高い医療の提供に努めている医療機関(医療情報・システム基盤整備体制充実加算の算定医療機関)であること。

〇 マイナ保険証により正確な情報を取得・活用することで、より質の高い医療を提供できるため、マイナ保険証を積極的に利用いただきたいこと。

 

(記載例)

当院は診療情報を取得・活用することにより、質の高い医療の提供に努めています。

正確な情報を取得・活用するため、マイナ保険証の利用にご協力をお願いいたします。

◆医療情報・システム基盤整備体制充実加算(初診時) 加算1 4点

加算2 2点(マイナ保険証を利用した場合)

 

項目を見る限りでは、従来の問診票に加えて、マイナ保険証による情報取得について、患者説明および同意を加えることを求めていることになります。

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