「外来管理加算」と「特定疾患療養管理料」から見るカルテ記載の大切さ

クラーク運用のススメ(9)

メディプラザでは、クラークを育成するカリキュラムの中で、電子カルテへの入力は、SOAP形式を推奨しています。

そこで、「外来管理加算」や「特定疾患療養管理料」を例に、SOAP形式で記載することの重要性を考えてみます。

外来管理加算(52点)

「外来管理加算」は、処置やリハビリテーション等を行わずに、計画的な医学管理を行った場合に算定できるとされています。

算定にあたり、「医師は丁寧な問診と詳細な身体診察(視診・聴診・打診及び触診等)を行い、それらの結果をふまえて、患者さんに対して症状の再確認を行いつつ、病状や療養上の注意点等を懇切丁寧に説明するとともに、患者さんの療養上の疑問や不安を解消するため」に、以下のような診療例の取組みを必要に応じて行うことが好ましいとされています。

提供される診療内容の事例
1  問診し、患者の訴えを総括する。
2  身体診察によって得られた所見及びその所見に基づく医学的判断等の説明を行う。
3  これまでの治療経過を踏まえた、療養上の注意等の説明・指導を行う。
4  患者の潜在的な疑問や不安等を汲み取る取組みを行う。

また、「患者からの聴取事項や診察所見の要点を診療録に記載する」必要があります。

この事例を見ると、外来管理加算を算定する上で、SOAP形式でカルテを記載することが推奨されていることがわかります。

1:「主訴」(Subject)
2:「所見」(Object)
3:「計画・指導」(Plan) にそれぞれ対応しています。

特定疾患療養管理料(診療所の場合、225点)

「特定疾患療養管理料」は、特定疾患の患者さんに対して、「治療計画に基づき、服薬、運動、栄養等の療養上の管理を行った場合に、月2回に限り算定」でき、同管理料の算定要件として、「管理内容の要点」を診療録に記載することを求めています。

これはSOAP形式では、P(計画・指導)の記載に当たります。また、地方厚生局が行う医療機関に対する「個別指導」では、同点数の算定に当たり「画一的ではなく、具体的に記載すること」という指摘事項がありますので、指導内容の記載については以下の点を注意するとよいでしょう。

(1)画一的ではない・・・それぞれの患者さんの状況に合った指導の記載を行う。
(2)具体的である・・・「20分」「1500kcal」など具体的な数字で指導の記載を行う。

この他にもカルテの記載を求める点数が年々増えており、カルテの記載の充実はますます大切になっていくと考えます。

このような理由により、私たちは電子カルテの運用において、クラークの活用を推奨するとともに、SOAP形式でのカルテ記載を教えているのです。

執筆:大西

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