医師事務作業補助体制加算が有床診療所でも算定可能に

医師事務作業補助体制加算は病院の3割に導入

医療クラークの配置を評価した点数である「医師事務作業補助体制加算」は、12年前に新設されました。相次ぐ点数の引き上げや対象範囲の拡大などもあり、順調に算定医療機関が増えており、今では2828件(全病院の約3割)の病院で導入されています。病院では、医師の隣に事務スタッフ(医療クラーク)が配置される体制が一般的になりつつあると言えるでしょう。新規開業の先生が、はじめからクラーク運用を希望されるケースが増えているのも、その表れではないかと思われます。

2020年改定で対象病床の範囲拡大、点数引き上げ

2020年度の診療報酬改定では、「働き方改革に向けての対策」が重点課題として盛り込まれました。この背景には、2024年に予定される医師の時間外労働の上限制約が始まることもあり、残り4年しかない中で、準備を先行的に始めている医療機関を評価しようとしたものです。中でも、勤務医の負担軽減を目的とした、「医師事務作業補助体制加算」は対象病床の範囲拡大と、点数の引き上げが行われました。

 

今回算定が可能になったのは、以下の通りです。

・回復期リハビリテーション病棟入院料(療養病棟)

・地域包括ケア病棟入院料/入院医療管理料(療養病棟)

・結核病棟入院基本料

・有床診療所入院基本料

・有床診療所療養病床入院基本料

・精神療養病棟入院料

 

これにより、急性期・回復期・慢性期、そして病床を有する診療所にまで算定範囲が拡大されました。また、評価の見直しも行われ、全ての点数が一律50点の引上げが行われています。医療クラークの配置が、勤務医の負担軽減に高い効果があるとの評価が行われたことになります。

有床診に拡大で1万5400件の医療機関が算定可能に

ここで注目したいのが、有床診療所にすそ野が広がったことで、算定が可能な医療機関が飛躍的に増加していることです。病院約8400件と有床診療所約7000件、併せて15400件が医療クラークの配置を評価されたことになるのです。

これから電子カルテの導入を検討している医療機関は、電子カルテと医療クラークの配置をセットで行い、医師が働きやすい魅力的な職場づくりを目指して欲しいと考えます。

(執筆:MICTコンサルティング

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