待ち時間短縮のために、患者さんを効率的に診る工夫

クラーク運用のススメ(12)

患者さんが多い診療所において、患者さんの待ち時間やスタッフの残業時間は、常に頭を悩ます問題です。
今回は、待ち時間の発生原因の一つである診察時間に注目して考えてみます

わずか1人あたり30秒の診察時間の差が、100人では50分もの影響をもたらします。
この30秒を短縮するにはどのような工夫ができるでしょうか。

カルテの記載の役割分担

カルテは医師の指示・承認のもとであれば、医師以外のスタッフによる記載が認められています。
医師と受付、看護師が役割分担してカルテ記載を行うことで、医師の負担が減少し、時間を短縮することができるのです。

問診票

患者さんに記載していただいた問診票を診察前に電子カルテに入力することで、受付と診察室で二重に聞くことがなくなり、時間短縮に繋がります。
また、問診票の内容を「主訴」として記載することで、カルテ記載の時間短縮も期待できます。

複数診察室を活用する

診察時間の効率化を目的に、診察室を複数用意し、効率化を図っているケースもあります。

患者さんがそれぞれの診察室で予め準備し、医師が診察室を移動することで、準備時間の無駄をなくし、時間短縮を図る試みです。

その際、医師の後をクラークがついて回るやり方と、クラークを診察室に固定するやり方があります。
どちらを選ぶかは、クラークの人員配置から考えてください。
常時2名以上のクラークを配置できる場合は、クラークを固定するやり方が可能となります。

短い診察時間と長い診察時間

患者さんの診察時間には長短があります。

例えば、初診で検査が必要な患者さんは診察時間が長く、再診で検査の必要のない患者さんは診察時間が短いということです。

この時間の差を上手に活用することで、初診で採血をしている間に再診の患者さんを連続して診るといったように、効率化が図れます。

その際には、診察順番の調整のため、複数の診察室を活用するとよいでしょう。

執筆:大西

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