クラーク運用で患者回転率を高める〈1〉
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クラーク運用のススメ(4)
患者集中が回転率と満足度を下げている
診療所経営において、短時間に多くの患者さまを診察し、しかも満足度を高くすることが重要です。
長時間待たされたうえに診療時間が短いとなると、物足りない、あるいはきちんと診てもらえていないなど、患者さまの不満の原因となります。
診療所における混雑は、「患者集中」が原因の根本にあります。
患者さまは、朝の診療開始時、午前診の終了間際、夜の最終受付間際、この3つの時間帯に集中しがちです。
ほかの時間は落ち着いていたとしても、この3つの時間帯は診療所内が慌しくなるものです。
つまり、1日の患者数が多いか少ないかに関わらず、患者集中による待ち時間や、その後の残業時間の解消は、どの診療所にとっても当てはまる課題ではないでしょうか。
1時間当り患者数を10人から20人に
診療報酬は、医師の診療行為、あるいは医師の指示のもとでの診療行為によってのみ、診療報酬点数を算定できるルールになっています。
レストランに例えるならば、シェフが料理を作るか、シェフが指示を出して作らせて監督しなければ、お客さまから代金はいただけないということです。
サービス業では「顧客の回転率」は重要な指標で、それは医療サービスにおいても同様です。
病院では「病床回転率をどのように高めるか」が重要であるように、診療所では「外来患者の回転率をどのように高めるか」が重要なのです。
例えば、1時間当たり10人の診察をする場合、1人当たりの診察時間は平均6分です。これを20人に増やすと平均3分となり、非常に慌しい診察が患者さまの不満につながらないかと心配になるかもしれません。
それでは、どうすれば「短時間に多くの患者さまを診て、しかも満足度を高める」ことができるのでしょうか。
次回、都内で開業されている診療所を例に、解説いたします。