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標準型電子カルテとは何か

骨太の方針2023

6月16日に「経済財政運営と改革の基本方針2023(骨太の方針2023)」が閣議決定されました。同方針では、医療DXの推進について以下のように具体的な施策が明記されています。

 

〇医療DX推進本部において策定した工程表に基づき、医療DXの推進に向けた取組について必要な支援を行いつつ政府を挙げて確実に実現する。

〇マイナンバーカードによるオンライン資格確認の用途拡大や正確なデータ登録の取組を進め、2024年秋に健康保険証を廃止する

〇レセプト・特定健診情報等に加え、介護保険、母子保健、予防接種、電子処方箋、電子カルテ等の医療介護全般にわたる情報を共有・交換できる「全国医療情報プラットフォーム」の創設及び電子カルテ情報の標準化等を進めるとともに、PHRとして本人が検査結果等を確認し、自らの健康づくりに活用できる仕組みを整備する。

〇その他、新しい医療技術の開発や創薬のための医療情報の二次利活用、「診療報酬改定DX」による医療機関等の間接コスト等の軽減を進める。

〇その際、医療DXに関連するシステム開発・運用主体の体制整備、電子処方箋の全国的な普及拡大に向けた環境整備、標準型電子カルテの整備、医療機関等におけるサイバーセキュリティ対策等を着実に実施する。

 

標準型電子カルテの整備

 この中で、「標準型電子カルテの整備」という言葉があります。これは具体的に何を指すのでしょうか。そこで、6月2日に医療DX推進本部がまとめた「医療DXの推進に関する工程表(案)」を確認することにします。

 

②標準型電子カルテ

〇標準規格に準拠したクラウドベースの電子カルテ(標準型電子カルテ)の整備を行っていく。

〇2023年度に必要な要件定義等に関する調査研究を行い、2024年度中に開発に着手し、一部の医療機関での試行的実施を目指す。

〇運用開始の時期については、診療報酬改定DXにおける共通算定モジュールとの連携を視野に検討する。

〇電子カルテシステムを未導入の医療機関を含め、電子カルテ情報の共有のために必要な支援策を検討しつつ、遅くとも2030年には概ねすべての医療機関において必要な患者の医療情報を共有するための電子カルテの導入を目指す。

〇医療機関等システムのデータの標準化や外部連携をするための改修や接続のコストの削減に加え、サイバーセキュリティの確保が非常に重要であり、診療報酬改定DXや標準型電子カルテの提供等を通じた医療機関システムや薬局システム等のクラウド化を進めていく。その際、医療機関等システムの閉域のネットワークについての見直しなどにより、コスト縮減の観点も踏まえながら、モダンシステムへの刷新を図っていく。

 

標準型電子カルテとは何か

 標準型電子カルテとは、クラウドベースであること、診療報酬改定DXで開発される「標準型レセコン」と連動するものであることが分かります。また、将来的には周辺システムとの連携も視野に入って開発されることと予想されます。

スケジュールとしては、2023年に要件定義のための調査が行われ、2024年度中に開発し、2025年度に試行運用を経て実運用となることが分かります。運用時期については、標準型レセコンが2026年にリリース予定であることから、それに合わせて提供される模様です。

 また、電子カルテの普及についても触れており、「電子カルテシステムを未導入の医療機関を含め、電子カルテ情報の共有のために必要な支援策を検討」とありますから、普及が遅れているクリニックや中小病院向けの補助金などが創設されることが予想されます。補助金に該当するシステムとしては、クラウド型で、電子カルテ情報の共有ができるよう、「HL7FHIR」が搭載されているものとなるのではないでしょうか。

(出典)医療DXの推進に関する工程表(全体像)<内閣官房>
 

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/iryou_dx_suishin/dai2/siryou3.pdf

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