待合室を大きく作るより、診察室を複数作ることが新常識

新型コロナウイルス感染症の感染状況が改善し、世界でマスクの着用が緩和する状況を受けて、3月13日にマスク着用に関して、医療機関や高齢者施設を除いて、個々の判断に任せるとされました。また、5月8日からは新型コロナウイルス感染症は2類相当から5類へ分類変更となります。約3年間続いたウイズコロナからアフターコロナへの移行が進もうとしています。

 

コロナ禍の患者ニーズの変化

 長引くコロナ禍は患者ニーズに大きな変化をもたらしました。それは感染対策の重要性とクリニックで過ごす時間意識です。感染を嫌う患者は、クリニックの受診が一時的に抑制されました。これまで待たされてもしょうがないとされていた感覚が、できるだけ滞在時間を短くしたいと考えるようになったのです。クリニックにとって、いかに「待たせない」かが重要になったのです。

 

待たせないクリニックづくり

待たせないクリニックを目指すためには、いくつかのポイントがあります。それは、「予約システム」の導入と、それに伴う「待合室と診察室のバランス」の変更です。コロナ以前のクリニックは、患者が増えることを見越して、待合室を大きくとることが主流でした。待合室に多くの患者が集まり、自分の診察の順番を待つというのが当たり前の光景でした。しかしながら、コロナ禍ではそれが感染の温床になってしまうと考えられ、変更を余儀なくされたのです。

 

予約システムを導入する

 待ち時間の緩和については、予約システムを導入することが真っ先に思い浮かびます。コロナ以前も予約システムは導入されていましたが、主に「順番管理システム」が導入されていました。これは患者に番号を発行し、順番が来たら来院していただくものです。しかしながら、コロナ禍では「時間予約システム」が多く導入されました。こちらは、時間ごとに予約を取り、時間が来たら来院していただくものです。この2つのシステムの違いは、順番で管理するか、時間で管理するかが異なる点です。順番よりも時間の方が密を回避する効果が高いと導入されるようになったのです。

 

複数の診察室を用意する

 時間で予約するようになると、時間枠は限られるため、診られる患者数が減ってしまう恐れがあります。また、時間のかかる患者である場合、時間通りに診察するのが難しいケースもあります。そこで、考えられたのが「複数の診察室」を用意し、同時並行で複数人診察する方法です。これであれば、診察室の数だけ患者を診ることができ、患者数の減少はなくなります。また、同じ時間帯に複数の患者の予約がとれる「時間帯予約システム」を導入することで、時間の調整が上手くいくようになりました。

 

予診とクラーク配置

 複数の診察室で、同時並行で診察を行うためには、医師の診察スピードを上げる必要があります。診察時間は、主訴、診察、検査、カルテ記載、書類作成の時間に分解できます。そこでタスクシフティングを行い、患者の主訴を予診として看護師等が担当し、検査を看護師に依頼し、カルテ記載と書類作成をクラークが担当すれば、医師は診察に専念することが可能になるのです。これで複数の診察室を移動することが可能になるのです。

 再診時であれば、検査をしながら、前回との変化を確認し、カルテに記載しておけば、医師の診察時間は、薬の変更や追加の検査を意思決定する時間へと変わり、大幅な時間短縮が可能となるのです。これを実現するカギは、受付スタッフをクラークに配置転換するための教育となるのです。

 

まとめ
  • 時間帯予約システムの導入
  • 複数の診察室を作る(待合室を小さくする)
  • 看護師とクラークにタスクシフティングを行う
  • 複数のクラークを育成する

 

mailmaga

ページの先頭へ