医療クラークの座る場所について

患者から目立たず、全体が把握できて、声が届く場所

医療クラークを配置する際、「どこに座らせれば良いか」という相談を良くいただきます。

 基本的な原則として、医療クラークは黒子ですから、なるべく患者さんの目に入りにくい場所に座る方が良いと思います。一方で、医師と受付、看護師をつなぐ役割を担っていますので、できるだけ全体が見える場所が良いでしょう。さらに、患者さんの声と医師の指示を聞き取りやすい場所という制約もあるため、できるだけ医師と医療クラークは近い方がよいでしょう。

 以下に、実際の配置例をご紹介しますので、ご参考になさってください。

1:医師の隣に並んで座る

スペースに余裕がある場合は、患者、医師、クラークと横並びで座っていただくよう説明しています。ただし、医師の手元を見たり、介助が必要な際には多少の移動が伴いますので、あえて立って入力するケースも見受けられます。その際は、腰が痛くならないよう、パソコンの高さを調整する必要があります。

2:診察机の端に座る

診察机が小さく、パソコンが2台配置できない場合は、机の端にL字型に座ることになります。比較的全体が見えやすいので、この配置を取っているところも多くあります。

この際、医療クラークの背後を人が通ることが想定されますので、周囲に配慮しながら立ったり座ったりを繰り返すことになります。できれば人一人が通れる程度は後ろにスペースがあると良いでしょう。通れない場合は、立って入力することになります。

3:師の向かいに座る

医師と医療クラークが向かい合わせに座るケースもあります。この際は表に医師が座り、裏に医療クラークが座る形になり、患者さんの目線に入らない配置となります。カーテンなどで仕切ることで完全に医療クラークの存在を隠すことも可能です。

4:診察室と受付の間に座る

座るスペースが取れなかったり、患者さんのプライバシーに気を遣いたい場合は、診察室と受付のスペースにカートなどを配置しているケースもあります。

この際の注意点は、医師の手元が見れなかったり、患者さんの声や医師の指示が聞こえにくい場合もあるので、その部分を補う工夫が必要です。医師が患者さんの声を拾い医療クラークに伝える、いわゆる「オウム返し」をすることで解決したケースもありました。

今回ご紹介した方法は、どれが正しいというわけではありません。たとえ、上手く行かなければ臨機応変に場所を変更しても良いと思います。また、必ず医療クラークは定位置に居なければいけないというルールもありませんので、適宜移動していただければと思います。

mailmaga

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