クラーク研修、電子カルテの操作研修と何が違うの?

クラーク運用のススメ(7)

電子カルテ導入準備中にクラーク運用を考える医療機関が増え、「電子カルテの操作研修とクラークの研修はどこが違うの」という相談をいただくようになりました。

今回は電子カルテ研修とメディプラザが行っているクラーク研修の違いを解説いたします。

電子カルテメーカーの操作研修

電子カルテメーカーが行う操作研修は、「医師向け」「事務スタッフ向け」と分けて行われます。

医師向けの研修では、医師が主に利用するカルテ作成、検査結果の表示、文書の作成などがメインとなります。
一方、事務スタッフ向けの研修では、事務スタッフが主に利用する患者登録、保険情報の登録、会計業務、レセプト業務などがメインとなります。
つまり、電子カルテの機能を医師に説明し、事務スタッフにレセコンの機能を説明しています。

電子カルテメーカーの目的は操作をマスターしてもらうことにあるため、機能を理解することに特化しています。

実務に基づくクラーク研修

一方、メディプラザが実施しているクラークの研修では、クラークの役割・目的について十分に理解してもらうことから始めます。

クラーク業務を行うことは、事務スタッフにとって負担増につながるため、初めから前向きに取り組むことは難しいようです。
そのため、まずはクラークという職種の成り立ちや、クラークになるとどんなやりがいが生まれるのかを理解していただいています。

その後、クラークの基礎スキルである「カルテの書き方」「電子カルテの入力」「医師との情報連携の仕方」などを、実務に近い形式でのロールプレイングを通して学んでいただきます。

我々が実務に基づいた研修にこだわるのは、頭でわかっていても、体が動かないということがないように、また、実際にクラークが現場に出てから困ることのないように、万全の準備を行う必要があると考えているからです。

また、研修の後半では医師とクラークの役割を整理し、クラーク運用のルールを決め、そのルールに則ってシミュレーションを行っています。

この部分の研修は、現場の状況をふまえて行う必要があるため、診療所や病院に伺って実施している場合も多いです。
役割を決め、ルールを現場の環境に合わせてカスタマイズすることで、クラークが個人のスキルから、組織のルールに変わることを考えて取り組んでいます。

電子カルテ研修とクラーク研修の違い

電子カルテ研修は、電子カルテの操作を身につけるための研修であるのに対し、クラーク研修は、スタッフ個人がクラークのスキルを身につけること、組織としてクラーク制度を策定し、現場に定着させること、という2つの目的が組み合わさっています。

二つの研修は一見似ていますが、実際には目的も内容も違うことが理解いただけるのではないでしょうか。
この2つの研修は連続して受けることで、より理解が深まり、安定した電子カルテのクラーク運用が行えると我々は考えています。

医療機関で行われる研修内容の一例

コラム図20151209

mailmaga

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