カルテ記載トレーニング

電子カルテ+クラーク養成講座の現場から(10)

今回は講座でおこなっているワークのひとつ「カルテ記載トレーニング」をご紹介します。
これは、模擬診療の内容を「紙カルテ」に書き起こすワークです。

電子カルテのクラークを養成するのに、何故「紙カルテ」を使うの?という声が聞こえてきそうですが、このワークにはちゃんと理由があります。

カルテの仕組みを理解する

紙カルテの2号用紙には、主訴・所見は経過欄、処方や処置などの行為はオーダー欄、というように、それぞれ記載すべき場所と目的があります。

しかし、電子カルテの普及が進んだことで、紙カルテを見たことがないスタッフさんも増えました。経過欄の内容を気に留めたことがないスタッフさんもいらっしゃるので、ワークをするとたくさんの疑問が生まれてきます。

  • 検査結果はどこに記載するの?
  • 患者さんへの指導内容はどこまで記入するの?
  • 薬の飲み方はどうやって書くの?

こういった疑問をひとつひとつ解消し、カルテの仕組みと記載すべき事項を理解していただくことが、このワークの目的です。

必要事項をピックアップする

先生と患者さんのやり取りを聞きながら電子カルテ入力をするには、キーボード入力のスピードは重要です。
しかし、聞こえてくる言葉をそのまま単純に入力すればよいのでしょうか?

例えば、入力ミスを修正していると診察はどんどん先に進んでしまいます。仮にすべての内容を時間内に入力できたとしても、文章が長くて読みにくいカルテができあがってしまうと、医師が後で読み返すときに不都合が生じます。

クラークにとって大切なのは、要点を簡潔に記録するスキルです。
慣れるまでは「キーボード入力」と「要点をまとめる」という2つの作業を同時におこなうことは難しいため、自分にはできない・・・と感じてしまうスタッフさんもいることでしょう。

クラークに対する苦手意識を持ってしまうことを防ぐために、まずは手書きで「要点をまとめる」練習からスタートする、これがワークの2つめの目的になります。

このワークでカルテ記入のポイントをつかむと、入力のスピードもぐっと早くなります。このワークの後にロールプレイングを繰り返しおこなえば、キーボード入力もどんどん早くなるのです。

執筆:松井

mailmaga

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