医療DX時代に必要なスタッフ研修とは?
システム間連携が進み、全体の運用設計が大切に
医療DXが進む中、政府はオンライン資格確認、電子処方箋、電子カルテ情報共有サービスと矢継ぎ早に、医療機関を結ぶネットワークの構築を進めています。一方、クリニックでは、新規開業時に導入されるシステムとして、電子カルテ(レセコン)や予約システム、Web問診、自動精算機、キャッシュレス決済、オンライン診療といった様々なシステムを連動するのが当たり前となっています。
システムが増えるにつれて、全体的な視点が必要となり、運用設計が重要な要素となっています。それぞれのメーカーから研修を受けるだけでは不足するという事態が起きているのです。様々なシステムを理解し、スムーズな運用構築を手伝ってほしいというニーズから、開業時の研修依頼が増えているのだと思われます。
具体的には、「新規開業に合わせて、オープニング研修をしてほしい」や「電子カルテを導入する(入れ替える)のでオープニング研修をしてほしい」といったものです。
接遇研修、模擬診療、操作研修
そもそも新規開業時の研修と言えば、「接遇研修」と「模擬診療」が定番でした。接遇研修については、元CAさんなど外部の研修講師に依頼し、模擬診療については開業コンサルタントにお願いすることが一般的でした。
それ以外は医療機器メーカーやシステムベンダーから機器及びシステムの「操作研修」を受けるといったものでした。
クラウドシステムは研修もオンラインに
また、電子カルテなどクリニックの基盤システムがクラウドに移行する中で、操作研修自体も「オンライン」で行うケースが増えています。その結果、操作研修にかかる費用は低減するものの、研修時間が少なく、確認も不十分といったケースや、セット・テンプレートなどのセッティングが上手くできないまま開業日を迎えるといったケースも散見されます。かつては、「しっかり操作ができるようになるまで二人三脚で面倒をみます」といったスタンスのメーカーもありましたが、時代の流れなのか、どんどんシンプルな操作研修に変わっているように感じます。
開業時に必要なオープニング研修
有難いことに長年、電子カルテクラークの研修を行う中で、ノウハウが蓄積しており、電子カルテのクラーク研修の内容を分解、再構築することで、「オープニング研修」を行える体制ができています。当方で行っているオープニング研修の例をご紹介します。また、効率的に診療が行えるよう、電子カルテのセットやテンプレートなどの作成支援も合わせて行っています。ご興味がある方は是非お問い合わせください。
<オープニング研修(例)>
2回コース(6時間程度)/4回コース(10時間程度)
- クリニック運用の全体像
- カルテ・レセプトの仕組み
- 疾患の理解(診療科ごとに10疾患程度)
- 医療用語、薬、検査の理解
- 問診内容から疾患を推測する
- 接遇・コミュニケーション
- ロールプレイング
- 最終シミュレーション
- 開業に向けて(簡易マニュアル、委員会の構築)
<4回の場合>