段階的に代行入力を始めるのに効率がよい方法は?

経過欄かオーダー欄のどちらか片方から入力を始めましょう。

クラーク運用のお悩み相談(8)

「電子カルテクラーク導入プログラム」の体験セミナーにご参加いただいた皆様や、メディプラザにお問い合わせいただきました先生方にご相談いただいたお悩みの内容と、その回答をご紹介させていただきます。

Q クラーク運用を始めるのですが、スタッフに電子カルテ代行入力のすべてを任せることが難しそうです。まずは部分的な入力から始めてみようと思いますが、どのような方法が効率的でしょうか。

 A 初めからクラークにすべてを任せることが不安な場合、経過欄かオーダー欄のどちらか片方から代行入力を始めることをお勧めします。どちらから着手するかは、先生がクラーク運用に求める効果や、現在のスキルによって選択するとよいでしょう。

経過欄から始める

カルテの記載内容を増やしたい、または内容を整理して記載したい、とお考えの場合は、経過欄の代行入力から始めるとよいでしょう。

患者さんの主訴(S)が多岐にわたる場合も、代行入力を行うことで、医師は患者さんと向き合う時間をより多くとることができます。また、指導内容や治療計画(P)をきちんと入力しておくことで、次回来院時にスムーズに診察を開始することができるようになります。

経過欄の代行入力から始める場合、実際の診療内容や、日頃、医師と患者さんがどんな会話をしているか、などをクラークがある程度理解していることが前提となります。そのため、看護師や看護助手がクラーク業務を担う場合は、比較的スムーズに取り組むことができるようです。

受付スタッフがクラーク業務を担う場合には、準備期間中にできるだけ医師の診察を見て、手書きでもよいのでカルテを記載してみる機会を設けるとよいでしょう。

オーダー欄から始める

レセプトチェックが煩雑になっている、病名漏れなどによる返戻・査定が多いなどの問題点を、クラーク運用で解消したい場合は、オーダー欄の代行入力から始めるとよいでしょう。

「紙カルテとレセコン」の運用から「電子カルテとクラーク」の運用に切り替えるケースでは、特に有効な運用といえるでしょう。

医療事務の経験があるスタッフがクラーク業務を担うことで、会計時やレセプト作成時に確認していたレセプトチェックの観点から、効率的な代行入力を実施することが可能になります。

また、診察室で業務をおこなうことで診療内容に対する理解が深まるため、経過欄の入力に取り組む準備もおこなえます。

カルテのどの部分を充実させたいかを共有しておく

経過欄とオーダー欄のどちらから始める場合でも、大切なことは 「カルテのどの部分を、より充実させたいのか」を、あらかじめ医師とクラークで共有しておくことです。

このことで、クラークは目的意識をしっかりと持って代行入力の業務にあたることができますし、医師が求めている効果が現れているかどうかの測定もおこないやすくなります。

そしてクラークが慣れてきたら、徐々に代行入力の範囲を広げて行くとよいでしょう。

執筆:松井

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