学習する組織の作り方

最近、多くのクリニックから「どうすればスタッフのレベルが上がるか」という相談をいただきます。開業して数年が経ち、経営も安定してくると、次のレベルに引き上げたいという思いが出てくるのでしょう。日ごろ、クラークの導入研修をはじめ、様々なクリニックの研修をお受けしていますが、クリニックのスタッフのレベルアップにおいてポイントは3つあると考えています。

 

できるから教えられるレベルへ

1つは、「業務上のレベルアップ」です。業務レベルは多くの時間、同じことを繰り返し行うことで、経験が蓄積され、ある程度のレベルに達します。ここからさらにレベルアップするには、「できるレベル」から「教えられるレベル」に引き上げる必要があります。

仕事が「できる」と「教えられる」の間には大きな壁があります。自分が理解し、実行に移すのは繰り返しの練習で身に付きますが、いざ教えるとなると、そういうわけにはいきません。教える相手は他人ですから、自分のやり方を教えるだけではうまくはいかないのです。相手の立場に立って、相手にあったやり方で教える必要があるのです。

例えば、先にペーパーで説明してから理解するタイプもいれば、お手本を見せればできるタイプもいます。教えてから実際に行動(体験)して初めて理解するタイプもいるのです。この違いを見極めながら、相手に合った仕事を身に着ける方法を考える必要があるのです。

 

考え方のレベルアップ

 もう1つは、「仕事の取り組み姿勢のレベルアップ」です。この取り組み姿勢とは「考え方」と言い換えても良いでしょう。いくら仕事ができても、この考え方が良くないと仲間からは評価されません。

この考え方のレベルアップは、「理念教育」が最適です。クリニックには理念があり、この理念を日々実践し、下に教えることができるスタッフが良いスタッフと位置付けることが重要です。この理念を実際の「行動指針」に落とし込む作業を、スタッフと一緒に行うことで、理念がスタッフの考えにシンクロし、具体的な行動につながっていくのです。そこでおすすめなのが、「クレド作成勉強会」です。院長が作った理念を元に、スタッフと相談しながら実践に移すための行動指針としてのクレドの作成をスタッフを巻き込み行うのです。

 

学習する組織づくり

 さらにもう一歩レベルアップを行うためには、「学習する組織づくり」に着手することになります。この学習する組織とは、日々の業務の中で疑問点を見つけ、意見を出し合い、改善を繰り返すことのできる組織となります。

私たちは社会人になって学習する機会というものに案外出会っていません。実は、仕事を通して学習をしているのですが、気づかずに行われています。もしかしたら、仕事はお金のため、生活のためと考えているスタッフも多いかもしれません。こういったマインドでは、日々時が経つのを待つだけであり、学習はあまりしたくないという考えになりがちです。

学習する組織を作るためには、マインドをリセットする必要があります。まずは「学習は楽しい」ものと理解するためには、小さな目標を立て、それをクリアすることで評価する組織に変革します。目標管理を組織運営に組み込むのです。これを繰り返していくと、自然と学習することで自らは成長し、この「自己成長」が「組織の成長」につながっているという実感を持てるようになるのです。

mailmaga

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