大切なのは、カルテの記載を充実させること

クラーク運用のススメ(8)

今回はカルテ記載の大切さについて考えていきたいと思います。

審査支払機関が、突合点検・縦覧点検などコンピュータによるレセプト点検を開始して以来、年々レセプト審査は厳しさを増しています。

病名漏れや病名と薬の不適合、算定月の誤りなど、注意しなければならないポイントがどんどん増えています。

また、厚生労働省による個別指導も年々厳しくなる傾向にあり、レセプト点検だけでなく、カルテ内容の充実を図らなければ、経営上の大きな痛手となる時代となりました。

レセコン時代

かつて、レセコンが中心だった頃、医師が書いたカルテは、会計やレセプト作成の基礎資料として、医療事務が日々、レセコンに入力していました。

そのため、医療事務がカルテに注目しているのは「コスト」ばかりで、「経過」はあまり注目されていませんでした。

電子カルテ時代

電子カルテを使用するようになると、電子カルテ上で経過もコストも医師が入力し、受付でその内容を確認して不足分を補い、会計やレセプトを作成するようになりました。

医療事務はレセプトを作る仕事から、レセプトを確認する仕事に変わりました。

しかし、電子カルテの時代になっても、レセコン時代と運用はほとんど変わっておらず、医療事務の注目は相変わらずコストにあるように感じます。

電子カルテはカルテとレセプトの完全一致が原則

電子カルテではカルテとレセプトは一致するように作られています。
言い換えれば、紙カルテのように、カルテの記載がなくても、医療事務がレセプト作成時に類推して後から補正すればよいという考え方はほぼ通用しません。

電子カルテとレセコンは大きく違うということを十分に認識していないことが、レセプト審査や個別指導の際に指摘される原因の根本にあるのです。

月一回のレセプトチェックでは厳しい

厚生労働省は超高齢社会において膨れ上がる医療費を抑えていくことを重要テーマとしています。
そのため、レセプト審査や個別指導の厳格化は必然的な流れであるといえるでしょう。

医療機関がこの流れに対応していくためには、月一回のレセプト点検でレセプトを修正するという考えでは根本的な解決策にはなりません。

レセプト審査や個別指導に耐え得る「正しいカルテ、正しいレセプトを作る」ことこそが対策となるのです。

医療クラークを活用してカルテ記載の充実を図ることが、「審査・指導対策」になる

医療クラークの教育においても、この「電子カルテではカルテとレセプトは一致して当然」という考え方を、十分理解してもらう必要があります。

我々のクラーク研修でも審査・指導に耐えうるカルテを作るという意識のもと、実務に基づいたカルテ記載を徹底的に勉強してもらっています。

また、これまでにクラーク研修を行った医療機関へのアンケート結果でも、「カルテの記載が充実した」「病名漏れが減った」というコメントを多数いただいています。

カルテを正しく書くことの大切さが十分に伝わっているのだと思います。

執筆:大西

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