医療事務の基礎知識~初診から電話・オンラインの診察~

今回は4月10日の新型コロナ関連通知の「初診から電話・オンラインによる診察。処方」です。

■ 初診から電話及びオンラインは214点を算定

4月10日の厚労省事務連絡によると、「初診から電話や情報通信機器を用いた診療(以下、電話等初診)により診断や処方をする場合」は、患者の診療について、診療報酬の算定方法「A000初診料の注2(※1)の214点」を算定することとしています。ちなみに、初診料の注2とは、病院が初診の患者に占める他の病院又は診療所からの紹介割合等が低いものにおいて、別に厚生労働大臣が定める患者に対して初診を行った場合には算定する既存点数です。

医薬品の処方を行い、FAX等で処方箋情報を送付する場合は、別に「調剤料、処方料、処方箋料、調剤技術基本料、又は薬剤料」を算定することができるとしています。院外処方の場合は処方箋料の算定となります。

■ 初診の取り扱いが外来と違うので注意

ここでいう「初診」とは、通常の外来での取り扱いと若干異なりますので、注意が必要です。

①新患患者(はじめて医療機関を受診する患者)⇒「電話等初診」OK

②既存患者で時間の空いた場合⇒「電話等初診」OK

③既存患者で診療継続中の患者が他の疾患でかかる場合⇒「電話等再診」

このように、本来外来では初診扱いのものが再診となっていますので、注意が必要です。また、②の時間の空いたとは、地域差が見られる内容なので、従来の外来での初診算定ルールに則ると良いのではないでしょうか。

■ 初診から処方できない医薬品

電話等初診では、診断や処方が医師の責任の下で医学的に可能であると判断した場合であっても「麻薬」及び「向精神薬」の処方はしてはならないとしています。

それ以外の医薬品であっても、診療録等で患者の基礎疾患の情報が把握できない場合は、「処方日数は7日間」を上限が決められています。

さらに、基礎疾患が把握できない場合は、特に安全管理が必要な医薬品(いわゆるハイリスク薬)について、診療報酬における薬剤管理指導料の1の対象となる薬剤(抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤等)の処方をしてはならないとしています。

この診療の際に得るべき情報として、過去の診療録、診療情報提供書、地域医療情報連携ネットワーク、健康診断の結果などを例示し、これら診療録等により、患者の基礎疾患の情報を把握・確認した上で、診断や処方を行う必要があるとしています。

■ 医学管理料(147点)も算定可能に

新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から慢性疾患を有する定期受診患者に対して、一部の管理料の算定が認められています。

以前より対面診療において診療計画等に基づき療養上の管理を行っており、「情報通信機器を用いた場合」の注に規定されている管理料等を算定していた患者に対しては、電話やオンラインでの診療においても計画等に基づく管理を行う場合は、「B000の2に規定する許可病床数が100床未満の病院の場合」の「147点」を月1回に限り算定できるとしています。

この「情報通信機器を用いた場合」の注に規定されている管理料とは、①特定疾患療養管理料、②地域包括診療料、③小児科療養指導料、④認知症地域包括診療料、⑤てんかん指導料、⑥生活習慣病管理料、⑦難病外来指導管理料、⑧在宅時医学総合管理料、⑨糖尿病透析予防指導管理料、⑩精神科在宅患者支援管理料のことになります。

また、Boooの2とは、特定疾患療養管理料の「2 許可病床数が100床未満の病院の場合147点」に該当します、診療所の電子カルテやレセコンのマスターでは事前に設定されていない可能性があるので、メーカーにどの項目を算定するか、ご確認ください。

■通精の再診は管理料147点が算定可能

精神科の算定する「通院・在宅精神療法」についても、4月22日に出された通知で明確になっています。これまで「通院・在宅精神療法」を算定していた患者に、電話やオンラインで診療をした場合は、特定疾患療養管理料「許可病床数が 100 床未満の病院の場合」の 147 点を月1回に限り算定できるとしています。

この場合も、他の管理料と同様に、診療所の電子カルテやレセコンのマスターでは事前に設定されていない可能性があるので、メーカーにどの項目を算定するか、ご確認ください。

(執筆:MICTコンサルティング

 

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