医療クラークの仕事は、ただの事務作業ではない

電子カルテ+クラーク養成講座の現場から(12)

先日、電子カルテ+クラーク養成講座を受講した受付事務員さんから、お話をお聞きしました。

その方は、医療事務の経験年数が長いことから、院長の指示を受けて後輩職員の育成をされていました。
しかし、後輩がなかなか言うことを聞いてくれない、注意したら反発する、皆で自主的に会議をしようとしても「そんな時間はない」「今日は予定が入っているので無理」などと言われて困っていたそうです。

そんな中、院長から後輩育成だけでなく「クラークもやってほしい」と言われた時には、「なぜ自分ばかり課題を押しつけられるのか、とてもやっていられない」という気持ちでした。

しかしクラーク運用を始めてみると、先生が患者さんと真剣に向き合う姿勢を間近で見るようになり、自分が患者さんのためにできることは何かを真剣に考えるようになったそうです。

受付だけをしていた時は、業務が忙しくなってくると、仕事を押し付けられるのが嫌で、話しかけにくい雰囲気をわざと作っていたこともありましたが、自分も患者さんと向き合いはじめてからは、先生が今何をしたいのか、看護師さんは何を手伝って欲しいのか、など自分以外の人が望んでいることも考えるようになれました。

すると、不思議なことに長年頭を悩ませていた後輩が、自分を助けてくれるようになってきたそうです。

受身でいるのではなく、何ができるのかを考えて自分から発信し、行動する。

自分の役割を自分で狭めず何でも積極的に協力することで、自分の協力者を多く作ることができ、結果として多くの人を幸せにすることができるようになります。

電子カルテのクラーク運用は、ただ単にカルテの代行入力をすることだけが業務ではありません。
この方の例のように、患者さんを中心にして、クリニック全体がうまく回るようにコントロールしていく役目を自然と担うこともあります。

大変やりがいのある仕事ですので、まずは取り組んでみていただきたいと願っています。

執筆:石原

mailmaga

ページの先頭へ